お母さんへ~月9

お母さんに手紙を書くのは何年ぶりかな

音は27歳になりました

音は今なんと、東京に住んでいる

介護の仕事をしています

休みくれとか、もっと給料くれとか思う
大変は大変
でもありがとうと言われると
がんばってよかったな~と思う
努力って時々報われる
お金はたまらない
でも私には足りてる

ちょっとのいいことがあれば
夜寝るときに思いだせる
優しい気持ちになれる

寝て起きたら次の日がくる

私には想い出が足りてる
坂の上に立つとね
東京の夜の街が見渡せる
そこで、会ったことない人のことを想像するのが好きです

ありがとう、気をつけて
深夜の街を走り抜けているバス
後ろから三番目の席に座った引っ越し屋さんと介護福祉士さん
お疲れさまでした

この街にはたくさんの人が住んでいるよ

時々思う
世の中ってきれいなものなのか
怖いものか

きれいなものは探さないと見つからない
そんなことを教えてくれた人がいた

一人で見る景色と二人で見る景色は全然違っていたよ

お母さんにお願があるの
私のこの恋しまっておいてください

私ね
お母さんのいうとおり
好きな人と出会えたよ
ちゃんと恋をしたよ

六歳の私に教えてあげたい
あなたはいつかひとりじゃなくなるよ
その人はトラックにのってあらわれる
トラックの荷台にはたくさんの桃の缶詰が積んであって
飴をひとつあげるとバリバリとかんで食べる

恋をすると楽しいことは二倍になるよ悲しいことは半分になるよ
それまで、待っててね
がんばって待っててね

この恋は私の大切な思い出です

お母さん どうかしまっておいてください




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